テレビアニメが有名な『あたしンち』。
『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』のような日常系コメディアニメですが、本作品はもうちょっと現代寄りで、平成版の日常系コメディと言えるでしょう。
最近ではYoutubeにもアニメを視聴できるチャンネルが設営されていて、子どものころにテレビで見ていた人にとってはとってもエモーショナルだと思います。
老若男女問わず万人受けするアニメである『あたしンち』ですが、実は漫画が原作であることはご存じでしょうか?
アニメを見たことある人にとっては、「あーっ、この話アニメで見たことある!!」と懐かしくなること間違いなし。
アニメを視聴したことない人でも、『あたしンち』に登場する様々な人物たちに魅了されること請け合いでしょう。
今回は、有名アニメの原作である『あたしンち』の魅力について、ご紹介いたします!
気になった方は是非、本書を手に取ってみてくださいね!
漫画版『あたしンち』はこんな人におすすめ
- 『あたしンち』のアニメが好きな人
- 『よつばと!』『みなみけ』『クレヨンしんちゃん』『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』などの日常系コメディ漫画、アニメが好きな人
- 頭を使わずに漫画を読みたい人
- 隙間時間などにサクッと一話完結型漫画が読みたい人
- 中高校生の息子、娘がいるお父さんお母さん
- 中高校生の男子女子
これらに当てはまる人は特にオススメです!
日常系の漫画であるため、老若男女が読める仕様になっています。
途中で読むのをやめたとしても、再読する際はそれまでのページを読み返すことなくすぐに『あたしンち』の世界に入り込むことができます!
『あたしンち』は誰しもが経験したことのある日常を丁寧に描いたまさに現代版日常コメディ!
けらえいこ先生が描かれている『あたしンち』は、1994年に読売新聞の漫画掲載欄にて毎週および隔週で連載を開始しました。
本作は2000年代前半にアニメ化、映画化もされており、アニメ版の「来―て来て、あたし~ンち」という“威風堂々”のオマージュである主題歌が有名ですね。
原作である本作は、4コマ漫画ならぬ23コマ漫画であるのが特徴であり、単行本には23コマ漫画が30本近く収録されています。
誰もが目を通す新聞に連載されていたこと、さらに23コマで話が完結することが相まって、とにかく読みやすいのが本作の特徴です。
単行本は全部で21巻刊行されていますが、時間があればあっという間に読み終えてしまいます。
漫画作品によっては、複雑なストーリーや多数のキャラクターが絡み合い、長時間読んでいると胃もたれしてしまうことがありますが、『あたしンち』ではそういったことが一切感じられません。
それは『あたしンち』が私たちの日常に非常に近しい日常系コメディ漫画であるからだと思われます。
読者は『あたしンち』に登場する主要キャラクターである、タチバナ家の家族、母、父、みかん、ユズヒコの誰かしらには必ず感情移入することができ、物語の中に深く入り込むことができることでしょう!
『あたしンち』の主役はなんといっても個性あふれるタチバナ家の家族!あなたも必ず誰かが好きになる!
『あたしンち』の主人公と呼べる人物は特定の誰かではありません。
それは『あたしンち』に登場するキャラクターが非常に多彩であり、話ごとに語り手が異なるからです。
と言っても基本的に、メインキャラクターであるタチバナ家の家族4人は登場回数が多く、これらの人物を中心にして、話が展開されていきます。
読者はタチバナ家の4人が織りなす日常生活に“あるある!”と共感することができ、読めば読むほど『あたしンち』の世界に魅了されていくことでしょう。
作者のけらえいこ先生の人物観察力、洞察力が優れているゆえのキャラクター構成だと思います。
それでは、魅力溢れるタチバナ家の家族を紹介していきましょう!
大雑把で倹約家、タチバナ家を支える強烈キャラ「母」
『あたしンち』と言えば、タチバナ家の「母」は外せないでしょう。
先ほど“主人公はいない”と断言しましたが、私があえて主人公を挙げるとすれば、この“お母さん”でしょう。
顔の半分以上ある大きな額と顔の中心にある小さな目、大きなタラコ唇が特徴で、その見た目はさながら半魚人のようです。
大分県出身で、年齢は40代前半、普段は専業主婦。モデルとなっているのはけらえいこ先生のお母さんだそうです。おかんってやっぱり強烈なんですね。
“情熱の赤いバラ”という歌がお気に入りで、家事をしながらサビ部分を口ずさむことが多いです。
下の名前は明かされておらず、母の友達からも「タチバナさん」としか呼ばれていません。
常軌を逸した倹約家であり、身の回りの生活品・食品は家族のクレームが出ようがお構いなしに限りなく安価なものを購入します。
しかしその一方で、トイレットペーパーだけにはこだわりがあり、安価品ではなく高級品を購入するようです。
母曰く、「あのトイレットペーパーで尻を拭くと、もう安いトイレットペーパーでは尻を拭けない」とのこと。
どのような家計のやりくりをしているかは明確になっていませんが、長男であるユズヒコの分析結果から分かったのは、給料日前になると晩御飯のおかずがカウントダウンをするように貧相になっていく模様。
味音痴に加えて、料理が苦手であり、専業主婦としては致命的です。
「長女であるみかんが料理本を提示して、“この通りに調理をしてほしい”と懇願したが、母は料理本を完全に無視して調理を行ない、結局激マズ料理が完成した」
「シジミの味噌汁を作ろうとして、シジミを湯がいていたのはいいが、味噌の在庫がないことが発覚し、急遽カレールウを鍋にぶち込んで、シジミのカレーに変更する」
などなど、ぶっ飛んだエピソードが作中で語られます。
家庭内でのヒエラルキーは高く、家では“母の城”と言わんばかりに好き放題やっているように見えますが、回転寿司屋で声を上げて注文できないなど、実は内弁慶なところもあります。
井戸端会議をするママ友「水島さん」「戸山さん」との掛け合いも強烈で、行きつけの喫茶店のマスターはいつも閉口しています。
ただ、こういった母の行動には決して悪気がなく(悪気がないから迷惑しているのかもしれませんが…)、憎めないキャラクターです。
読者が青年であるならば、“母”の強烈なキャラクターに笑みがこぼれる一方で、自分の母親にもこの“母”の性格を見いだせる部分があって、共感できるのではないでしょうか。
冴えないけれど、周りの人に恵まれた女子高生「長女・みかん」
『あたしンち』というタイトルは、タチバナ家の長女「みかん」からの目線を名付けられたものであり、公式ではみかんが主人公という風に言われています。
原作では都内の共学の高校に通う女子高生で、高校ではテディベア研究会に所属しています。モデルとなっているのは作者本人だそうです。
外見は常時、お団子ヘア。同年代の男子に、外見は“十人前”だと面と向かって言われてしまいますが、周りの女友達からの評判は悪くありません。
大きい瞳をもつはっきりとした顔立ちであり、母からは全く遺伝していないのではないかと思うほどの容姿です(母の外見が人間離れしているというのもあります)。
厚かましくて、ふてぶてしいのは母譲りでもあり、友人に金を借りた上に大量注文したハンバーガーを一口ずつ齧って残して、友人たちを呆れさせるなどといったエピソードもあります。
内弁慶であまり社交的でないのも母譲りであり、クラスメイトの男の子に片思いをしていますが、全く進展しない上に、親友である女の子にも自分の気持ちを打ち明けられないほどに奥手です。
母とは家庭内でもしょっちゅう喧嘩しており、口論が絶えません。また弟であるユズヒコとも持論を巡って喧嘩することがあります(だいたいはルーズで大雑把なみかんが理論的なユズヒコに言い負かされることが多いです)。
原作初期ではみかんに関するエピソードが多いです。これはやはり、みかんが作者自身をモデルにしているためであり、本人の経験をもとにして描かれているからではないでしょうか。
一見、普通の見た目・性格の女子高生ですが、母やユズヒコや父などの家族、高校の様々な友人など、人には恵まれており、とても幸せなことが窺えます。
みかんと同年代の人が作品を読んだ際には、「あぁ~みかんの気持ち分かるな~」などと青年期の歯がゆい感情に共感できることでしょう。
一方で、成人して社会人になると、「こんな気持ちになっていたなぁ。こんな頃もあったなぁ」なんて感傷に浸ることもできます。
今まさに青春を謳歌している世代、そしてその青春を思い出したい人たちにとってはみかんのエピソードが染み渡ることでしょう!
理論的で繊細、だけど単純でもあるみかんの弟「長男・ユズヒコ」
タチバナ家の長男である「ユズヒコ」はみかんの弟であり、設定では中学2年生です。モデルは作者の弟だそうです。
細い目と冠のような髪型が特徴で、こちらもみかんと同様に母からはまったく遺伝してはいないと思われます。
中学では野球部に所属していますが、髪型を丸坊主にしていることもなく、練習も週に2日ほどしかない様子。弱小部であるらしく、まともな練習もしていないみたいです。
母やみかんが大雑把で無神経な発言や行動を繰り返す一方で、ユズヒコは神経質でナイーブな内面が目立ちます。
タチバナ家の女性陣が感情的である中、みかんと口論となった際は冷静に論破するなど、頭がよくて理論的で、家族の中では一番の常識人でもあります。
意外とクラスの女子からは人気があり、一部の女子からは小さなファンクラブが結成されるほどですが、本人は全くモテているという自覚がありません。
ユズヒコが好きな人物やモノは廃れていく傾向があり、本人も不本意ながらそのことを受け止めています。
晩ご飯のおかずの提供具合を冷静に分析して傾向と対策を立てるエピソードや、自らでおかずをアレンジするエピソードなど食べ物に関するエピソードが多く、ロクでもないご飯が提供された際は声を荒げることもあります。
趣味は音楽鑑賞と読書で、自分の部屋にこもって自らの世界に浸ることが多いです(ベランダで感傷に浸っているところをみかんに見つかり、からかわれるといったエピソードもあります)。
まさに思春期の中学生男子といった人物で、やや内向的な読者からすると、ユズヒコに共感できる部分は多いでしょう。
無口でマイペース、だけど家族を想っている「父」
最後は一家の大黒柱(?)である“お父さん”こと「父」についてです。
父も母と同じく作中で名前は明かされていません。年齢は40歳後半で、母と同じく大分県出身です。モデルはもちろん作者の父。
丸い眼鏡をかけており、基本的に眼鏡を外した姿を見ることはありませんが、寝る時に外した際に見える瞳はみかんに似ています。
無口であり、食卓でも団欒時でも自分から喋ることはあまりありません。感情表現も乏しいですが、母との掛け合いの中で“はっは”と高らかに笑うこともあります。
用を足した際に便器を流れる水を使って手を洗ったり、お風呂の後にバスタオルがないからといって、びしょ濡れかつ全裸でリビングに入ってきたりなど、ぶっ飛んだマイルールがあり家の中では非常にマイペースです。
一方で、電車内で他人に席を譲ったり、倒れている自転車を起こしたりなど、外では腰が軽い一面もあります。
母との結婚を「人助け」と称し、容姿で結婚したのではないと公言していますが、母の奇行を陰から見て楽しむなど、母に対する愛情は深く、またみかんやユズヒコに対しての思いやりも強いです。
幼少期や思春期に『あたしンち』を読むとお父さんのエピソードは飛ばしてしまうこともあるかもですが、年を取るにつれてお父さんのエピソードが好きになっていきます。
読者自身が大人になるにつれて、感情移入できる人物も移ろっていき、その時その時で楽しむことができるのも『あたしンち』の魅力の一つかもしれませんね。
まとめ
以上、『あたしンち』の概要と、作中に出てくるタチバナ家の家族を紹介しました。
今回は語らなかったですが、作中にはそれぞれの家族の知人たちが大勢登場し、『あたしンち』は多彩なキャラクターによって作られています。
まるで実在する人物がいるかのようなキャラクターたちが登場する『あたしンち』。
気になった方は是非、原作である漫画を手に取ってみてくださいね!!
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