実写映画化決定!『ゴールデンカムイ』いちファンが想いを語る
先日8月30日に、集英社の『ヤングジャンプ』で連載されていた大人気漫画『ゴールデンカムイ』の実写版映画のキャストが発表されました。
実写映画化が発表されたのは、およそ1年半前、単行本29巻の発売に合わせての発表でした。『ゴールデンカムイ』の大ファンである私は、楽しみな気持ちが半分と不安な気持ちがもう半分とで実写映画の続報を今か今かと待ち続けていたのですが、映画化決定の発表以降、公式からは一切音沙汰なく……週刊誌によるキャストのリークがあったことも相まって、ちゃんと映画化されるのか心配になってきていたところでした。
今回は、先日発表されたキャストについて、いちファンが個人的に注目したいポイントを述べていきたいと思います。
映画『ゴールデンカムイ』のキャスティングに対する生の感想を求めていらっしゃる方には楽しく読んでいただけるのではないかと思います!
選び抜かれたキャストの皆さん
杉元佐一役:山﨑賢人さん「ファンの不安をいい意味で裏切ってくれそう」
漫画原作の実写映画といえばズバリこの人、という方が、主役である杉元佐一を演じます。
今回の映画『ゴールデンカムイ』の製作陣は、同じく『ヤングジャンプ』で連載されている大人気漫画『キングダム』の実写映画を制作したチームでもあり、『キングダム』でも山﨑賢人さんが主役を務められていました。
つまり、同じ製作陣が、同じ雑誌に連載されている漫画の実写映画と同じキャストを主人公に抜擢しているわけです。よほど制作陣が山﨑賢人さんに絶大な信頼を置いているのでしょう。
一方で、同様のキャスティングは前作との比較も招きます。杉元役が山﨑賢人さんに決定したことを不安がる人も少なからず見られました。『キングダム』の信は、頭より先に体が動くような荒々しいキャラクター。それに比べて杉元は、荒々しい部分だけでなく、作中で「品がある」と言われるような顔立ちや、少女雑誌が大好きなところや、時折垣間見える心の傷など、人としての深みや複雑さが描かれることが多くありました。その「深み」を演じきってくれるのか。ファンの不安はそこにあったのではないかと思います。
公式サイトで紹介されている山﨑賢人さんのコメントでは、原作者の野田先生から「味方ですから」と言われて嬉しかった、というエピソードが紹介されています。製作陣の方々も、ファンの不安の声に気づいていたのかもしれないと考えます。
しかし、山﨑賢人さんはこのようにもおっしゃっていました。
「今まで成長していく役が多かったのですが、杉元という役では、乗り越えた後の失ってしまったものや忘れてしまった感覚を取り戻していく男を表現できればと考えていました。自分も年を重ねて、今まで見せたことのないものをたくさん出す事が出来たのではないかと思います。」
私はこの文章を読んだとき、「私たちが見たい杉元の一面もちゃんと再現してくれるかもしれない」と感じました。
山﨑賢人さんの演技を映画館で見られるのを楽しみにしたいと思います!
アシリパ役:山田杏奈さん「アシリパの知性を再現」
(※リは小文字、以下「アシリパ」と表記)
アシリパは実写化するのが難しいキャラクターだったと思います。
まず、樺太アイヌとポーランド人にルーツを持つ父と北海道アイヌの母の子であること、幼い少女であること。華やかというよりは素朴という言葉の方がしっくりと来ますが、見る人を吸い込むような魅力的な青い瞳を持つこと。アシリパの持つ聡明さや知性を表現してくれるのに、これほどぴったりな方が日本にいらっしゃるとは思いませんでした。
恐れ多くも今回初めて山田杏奈さんを知ったのですが、実際に喋るアシリパをスクリーンで見るのが今から楽しみです。
尾形百之助役:眞栄田郷敦さん「目が完全に尾形」
今まで眞栄田郷敦さんが尾形に見えたことはなかったのに、尾形に扮する眞栄田郷敦さんはもう尾形そのものでした。
原作の骨太な体格でふてぶてしい尾形と比べると、実写の尾形の方が若干線が細く若々しい印象を個人的には受けますが、何より私が衝撃を受けたのは眞栄田郷敦さん演じる尾形の「目」です。
公式サイトで公開されているティザーPVに、杉元と尾形が初めて戦うシーンが一瞬だけ入っているのですが、縁取られたような目といい、黒目と白目の割合といい、全てが完全に尾形だったのです。
アニメでは津田健次郎さんの色気のあるボイスが特徴的だった尾形。眞栄田郷敦さんの尾形はどのようなかっこよさを見せてくれるのか期待大です。
白石由竹役:矢本悠馬さん「実在しそうなシライシ」
矢本悠馬さん演じる実写版の白石からは、「白石が現実世界に飛び出してきたらこんな感じなんだ!」という説得力を感じました。本当に実在しそうな雰囲気さえ感じます。
実写映画化が決まってからキャストが正式に発表されるまでの間、SNSなどではキャスト予想が流行しました。その際によく名前が挙がっていたのが、コミカルな演技を得意とする、とある俳優の方。確かに白石は漫画を読んだことのない人でも「そのシーンは知っている」と言うほどの名ギャグシーンをいくつも作り出してきました。
しかし白石はただのひょうきんものではなく、物語序盤の仲間を信用しきれない臆病さや、物語終盤では仲間の死を忘れない優しさなど、さまざまな表情を持っているキャラクターだと私は思っていました。
矢本悠馬さんの白石が映画を盛り上げ、そして要所要所のキーパーソンになってくれることを願っています。
月島基役:工藤阿須加さん「続編が見たくなる!」
原作の月島は江渡貝くんのお話以降一気に出番が増えるのですが、実は物語の最初の方でも少しだけ登場しているんですよね。今回の映画では、月島の常識人、苦労人、第七師団の良心といった部分が見られるのではないかと思います。
演じるのは工藤阿須加さん。月島の実直さを感じさせるとても良いキャスティングだと思います。
ただ月島ファンとしてわがままを言わせてもらうと、物語終盤の心の闇を隠しきれない矛盾だらけの月島も工藤阿須加さんバージョンで見てみたい……!
気が早いかもしれませんが、続編が楽しみになるキャスティングです。
二階堂浩平/洋平役:栁俊太郎さん「二階堂ってここまで再現できるんだ」
二階堂は実写版を見たときに最も驚いたキャラクターです。「二階堂って実写でここまで再現できるんだ!?!?」という驚きです。
原作では見た目から狂気を感じさせる二階堂兄弟。コワモテの見た目とは裏腹に仲間内ではお茶目な言動も見せるなど、いろんな種類の「ヤバさ」を秘めたキャラクターだと思っていますが、こんな漫画ありきのようなキャラクターでもこれほど高いクオリティーで再現できるなんて……栁俊太郎さんもメイクスタッフの皆さんもすごすぎます。
ところで、もし実写映画が続編まで制作されるとしたら、二階堂のあの帽子は再現できるのでしょうか……? 先の心配はともかく、スクリーンで拝見できるのが楽しみです。
谷垣源次郎役:大谷亮平さん「原作者が格別の愛情を注ぐキャラ」
他のキャラクターももちろんそうですが、特に谷垣のキャスティングに関しては絶対に絶対に間違いがないと思います。なんと言ったって谷垣です。原作者の野田サトル先生が寵愛している谷垣源次郎です。
演じる大谷亮平さんのコメントでも、「原作者の野田先生からも谷垣に関しては格別の愛情を注いでいらっしゃると伺ったので、とにかく彼の良さを消さないように私自身も役に愛情を込めて演じさせていただきました。」とあり笑ってしまいました。
野田カムイが太鼓判を押した大谷亮平さんの谷垣を楽しみにしたいです!
牛山辰馬役:勝矢さん「俳優さんの情熱に期待」
牛山を演じる勝矢さんは、公式サイトで発表されたコメントから実写映画に対する熱い思いが伝わってきて、いちファンとしてとても嬉しくなりました。
なんでも『ゴールデンカムイ』の実写化が報道されたときに「牛山やらせてくれないかな」と別の現場で話していらっしゃったそうで、オファーが来た際は大喜びしたそうです。
思い入れのある作品のキャラクターを情熱溢れる方が演じてくださるのはとても嬉しいです。
コメントの最後の文が大爆笑必至なので、未読の方はぜひ公式サイトを訪ねてみてください。
永倉新八役:木場勝己さん「骨格が永倉」
木場勝己さん演じる永倉新八を最初に見たときまず感じたのは、「頭の骨格が完全にガムシンと一緒だ!!」ということです。
キャスト発表を見た後、普段の木場さんのお写真もすぐさま調べたのですが、特殊メイクをしていなくても本当に似ていらっしゃる……野田サトル先生が木場勝己さんをイメージして描かれていたのではないか? と疑ってしまうほどのそっくりさでした。
舘ひろしさん演じる土方歳三とともに北海道を駆け抜けるガムシンを見られるのが楽しみです。
フチ役:大方斐紗子さん「作品に深みをもたらしてくれる」
フチはアシリパの祖母であり、アシリパたちの旅を見守り続けるキャラクターです。アイヌであることもあり、どのような方が演じられるのだろうかと思っていましたが、抜擢されたのが大方斐紗子さん、なんと御歳84歳だそうです! 戦後日本の芸能界の第一線で活躍してこられ、現在もさまざまなに話題作に出演されていらっしゃる大方斐紗子さんが映画『ゴールデンカムイ』に出演してくださることで、作品に深みが出るのではないかと期待しています!
後藤竹千代役:マキタスポーツさん「作品の水先案内人」
マキタスポーツさん演じる後藤竹千代は、杉元を金塊戦争に誘い、そして私たちを『ゴールデンカムイ』の世界へと誘う案内人のような役です。
出番こそ短いですが、『ゴールデンカムイ』の物語が孕む狂気やドキドキワクワク感を伝えてくれる人なので、マキタスポーツさんの人を引き込む力に期待大です。
大叔父役:秋辺デボさん「アイヌ描写に対する真摯さ」
秋辺デボさん演じる大叔父は、原作では他のキャラクターほどフィーチャーされることはあまりありません。それなのになぜ今回の第一報で秋辺デボさんの出演が発表されたのか?
それは、「製作陣が、映画『ゴールデンカムイ』が原作同様アイヌの描写に真剣に取り組んでいることを表明するため」ではないかと私は考えています。
秋辺デボさんは、今回発表された中では唯一のアイヌの方で、阿寒湖にあるコタンで工芸品を製作販売する傍ら文化継承などに尽力していらっしゃいます。秋辺デボさんはアイヌ文化監修としても映画に携わっていらっしゃるそうですが、こうして演者としても参加することで「映画で描かれるアイヌの世界は作り物、紛い物だ」という批判を退けることができるのは非常に良いことだと思います。
鶴見篤四郎役:玉木宏さん「誰もが納得」
公式サイトでキャストが発表されたときにSNSなどで最も反響が大きかったのが、玉木宏さん演じる鶴見中尉でしょう。ただ鶴見中尉にそっくりなだけではなく、華がある。鶴見中尉の武器である、抗いがたい魅力をちゃんと醸している。ティザーPV内で一瞬披露された、口角が髭で隠された不適な笑みはまさに鶴見中尉そのものでした。
玉木宏さんといえば顔立ちはもちろんですが声も魅力的な方です。映画で鶴見中尉が発声した瞬間悩殺されるのが恐ろしくもあり楽しみです。
土方歳三役:舘ひろしさん「館さんでよかった…」
舘ひろしさんが土方歳三を演じてくださると知って、ただただ製作陣の皆さんに対する感謝の気持ちでいっぱいです。
『ゴールデンカムイ』で描かれる土方歳三は、他の新撰組や幕末を扱った作品に登場する若くてイケメンの土方歳三とは少し違います。ですが、年齢を感じさせない圧倒的な強さとかっこよさは、漫画を読んだ方ならご存知だと思います。
そんな土方をダンディな舘ひろしさんが演じてくださるというありがたさ……刀のアクションが今から楽しみです。
映画『ゴールデンカムイ』楽しみです!
映画『ゴールデンカムイ』のキャストを、原作ファンのオタクの叫び声とともにご紹介してきました。
公開日は2024年1月19日(金曜日)です。
今後発表される続報に注意しつつ、公開を楽しみに待ちたいと思います!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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